葬送儀礼を考える

お葬式・お通夜などのいわゆる「葬送儀礼」を考えてみたいと思います。日本には伝統的な葬送儀礼がありますが、現代ではそれも少しずつ形を変えているようです。 人が亡くなることは避けることができないので、元気なうちに色々考えておこうという感じのブログです。

お通夜とお葬式がいっぺんにくる?

NHKの朝ドラ「おちょやん」を見ていました。

※※じゃっっっっかんのネタバレ含むので、ご了承ください。

 

主人公の千代ちゃんは、道頓堀を出たあと京都のカフエで働くことに。

 

そのカフエのマスターを演じているのは西村和彦さん。

西村さんは京都のご出身ですからちょうど良いかもしれませんね。

 

その西村さんの役柄は、凄く明るくテンション高めな感じ。

映画が好きで、店長やマスターというより「監督」でありたいクセが強い感じ。

 

その西村さんが、暗い顔をしている店員さん(西村さんの中では助監督)に

 

「おいどーした!お通夜とお葬式がいっぺんにきたみたいな顔して!」

 

と声をかけます。

 

店員さんが暗い顔をしている理由はここでは割愛しますが、

西村さんは続けて

 

「いや、当たり前や!お通夜とお葬式はいっぺんにくるんや!」

 

と自らツッコミをします。

ひとりボケ・ツッコミ。

ピン芸人さんです。

 

まあ、主人公の千代ちゃんをはじめ、その場にいた全員が西村さんのボケもツッコミもスルーするのですが、この西村さんのセリフを聞いて思うことがあります。

 

そのボケ・ツッコミが今ではあんまり成立しないなあということです。

 

従来より、

臨終・死亡診断

臨終勤行(枕経)→本来は亡くなる前

納棺

お通夜

お葬式

出棺

火葬

収骨

還骨

 

というのがよくある一連の流れではないでしょうか。

 

でも、テレビでも報じられているように

直葬」というのが増えている今日。

 

つまりは、

臨終・死亡診断

納棺

出棺

火葬

収骨

還骨

 

となっているということでしょう。

 

お通夜もお葬式もすっ飛ばしています。

また、お葬式だけ(一日葬?)というのもあるようです。

一日葬って、厳密には違うだろうと思うのですが、

それはまた改めて…。

 

 

このように昔の習慣・風習というのが変わっていくと寂しい感じがします。

でも、もちろん時代の流れに応じて

変わっていく必要もあるんだろうなとも思います。

 

でも、その習慣・風習が作られ、守られてきた背景は

しっかり理解し、受け継いでいくべきだと感じます。

 

例えば、蛇口をひねれば簡単に水がでる今日。

昔は井戸から水をくんでいた。(私は全然経験がありませんが)

水の大切さや節水の心が育まれていないのは

圧倒的に今に生きる私たちだと思う。

 

確かに、今から井戸の生活に戻ることはないだろうが、

災害時の対応を見ていると

日頃から節水や少量の水での生活を知っておくことは重要だろう

と思います。

 

昔の習慣・風習を知り、

その意義・意味を現代に活かしていく。

 

葬送儀礼でも言えると思います。

 

何故、故人を弔うのか。

何故、お通夜をし

更にはお葬式もするのか。

そのあと、初七日法要にはじまり、

何故、法事をしていくのか。

 

そこにはそれぞれの意味があるはず。

 

合理的に、利便性を追求し、簡略化していく現代社会において

本質的なところは、従来の習慣・風習に込められているのではないかと思います。

 

今後は、そこのところを探ってみたいと思います。

 

…とここまで書いて、

前回「お葬式のマナー」について書くと宣言したことをすっかり忘れていました。

テヘペロでござんす。

 

まあ、ゆるりゆるりとやりますので

気軽にお付き合いください。